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真夜中

ファーストキスは17歳。

1月 ④ 特別なキットカットだけがおいしい

知らない電話番号から留守電が入っていて、聞いてみたら中学生のときに仲が良かった女の子からのものだった。再生してすぐ、私のあだ名を呼んだ声ですぐに分かったよ。だって私のことをそういう風に呼ぶ人はその子しかいない。
留守電は、センター試験の前だから元気がでるようにお菓子届けに来たよ、でもいなかったから玄関の前においておくね、という内容だった。私はその20秒くらいのメッセージを、いつもは聞いたらすぐに消してしまう留守番電話を、保存して繰り返しきいている。
中学生のとき、私はその子のことが大好きだった。髪の毛が短くて足が速い女の子。部活が一緒で、暗くなっても話は尽きなかった。学校に行かなくなった私の家に遠いねって言いながらも来てくれたのはその子だった。中学校を卒業してからは、会いたい会いたいと思いながらも一度も再会していない。携帯番号が変わったのも知らなかった。
コンビニの袋に入ってドアノブにぶら下がるホットレモンとキットカットを見て、高校受験の頃を思いだす。そのときも、来てくれたなあ。3年経っても、私のことを覚えていて私のことを考えてくれる人がいるのは、とても嬉しい。
私は中学生の頃と見た目が別人になったから、会ったらびっくりするだろうな。でもそれ以上にびっくりしちゃうくらい中身は全然変わっていない。向こうは変わったのかな。どんなこと話せばいいんだろう。

そろそろ試験に頭を切り替えなくちゃ。ねむります。会いたい人に会いにいけるように、やりたいことができるように、もうすこし未来が見えるように。