博物館

ファーストキスは17歳。

11月 ① わたし以外わたしじゃない

セックスで叫びすぎて、喉が痛い。

 

私はどうでもいいことを気にして、だいじなことを気にしない。

目の前のことすら真面目に考えられない。ちゃんと考えるって怖いよ。及ばなかったときのことを想像しちゃうから。

 

何かを知れば知るほど、「そうじゃない」「これじゃない」が溢れてくる気がして、頭に蓋をしたいと思った。

でも、何かを知れば知るほど、「感動」っていう気持ちも味わえるらしい。

 

してる最中に、相手の首をしめたら興奮した。まるでそうするのが自然だったみたいに手が動いて、普段は絶対吐かないような、「死ね」って言葉が口から漏れた。

「二重人格が嫌なの」って言ったら、「面白い」だって。

 

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magmaの展示を見に行きました。

「美しいってなんだろう?」とか考える前に、「楽しいって良いよね」って根源みたいなものをみせてくれるブランド。

 

10月 ④ だいすき。

バイト終わりました。今日はホテルでの宴会でした。

お客さんに日本酒たくさんもらって酔っ払ったよ。

帰りに店長に久しぶりに会って、嬉しかったあ。

明日はハロウィンですね。お店でコスプレします。楽しみ。お客さんたくさん来てくれるといいな。

 

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スヌード編み終わりました。冬こせる

10月 ③ この気持ちわかってほしいんだな

気分が優れない。理由を考えてみる。

大好きな人にあげたクッキーがたぶんあんまり美味しくなかったから。

明日のバイトにあんまり行きたくないから。

レンタルしたDVDをまた延滞しちゃったから。

今日、肌診断を体験してみたら、となりの先輩より結果が悪かったから。

 

クッキーは、元気なかったからどうしてもなにかしてあげたくって作ったんだ。自己満足だけど、ありがとうって言ってくれたから大丈夫。今度もっと美味しいの作ってあげよう。そしたら、「前のより美味しいよ」って褒めてくれるでしょ。

明日のバイトは、延長がなかったら2時間、笑顔でいたら終わってる。延長もらえたらお給料があがる。自分が楽しそうにしていたら、お客さんも楽しそうにしてくれる。きっと。

DVDは今から返しに行こう。今日返さなかったら、倍のお金を取られちゃう。

お肌はちゃんとケアしたら綺麗になるってお姉さん言ってた。小学生のときからずーっと悩んでるんだから、しょうがないよ。少しずつ、綺麗にしていこ。

 

明日はまつ毛カールの予約してるから、それ楽しみでしょ。バイトまでの時間が余ったら、美味しいお茶でも飲もうよ。あ、浅野いにおの新刊でたらしいよ。

頑張れにいこちゃん。

 

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 狩野山雪の絵。独特ですき。

 

10月 ② 最終に間に合ったよ

来月、大学の研修旅行で関西にいきます。京都と奈良は何度か行ったことがあるけれど、大阪は初めてだから楽しみ。自由な時間もあるし、個人的に観光もしようと思う。

 

知らない場所に行くのは好き。ちがう自分になれる気がする。だから、高校も大学も、絶対知り合いがいないところを選んだ。一人が好きなのも、誰かが作った私のイメージに左右されなくてすむからなんだろう。

でもね、目指しているのは、いつだって誰にもとらわれない私だよ。素直に生きていきたい。特に、自分自身に対して。

 

最近は、旅行のために休むことなくアルバイトをしていて、毎日知らない人と出会っている。印象が大切な仕事だから、こう思われたいって自分になりきるために、格好つけたり、甘えたり。こどもだったり、大人だったり。不思議と嘘をついている感覚はない。

 

店長が、「お前の笑い方はこっちが気分良くなれるから良いね」って言ってくれて嬉しかった。ちゃんとできていることも、それを見てくれていることも。

 

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もこもこヘアバンドブームです。

10月 ① 前髪だって伸びたから

心が不安定になることはだいぶん減ったけれど、いまだに泣いちゃう夜は月に一回くらいある。

 

私はいじられキャラなんです。いつもは全然嫌じゃないのに、たまにしんどくなるときがあって。一昨日は、冗談だけど「なんでここにいるの?」とか「ほんと不器用だなお前は〜」とか言われて泣きそうになってしまった。不安な顔をしてると、相手がハッとなって、ごめんね大丈夫?とか言うから、そうすると余計しんどくなって、目の奥がじんとなった。溢れないように神経を張って、なんとか堪えた。

「今日はいじられたら私泣くから」って日を作ってもいいんだよ、って言われたのにうまくできなかったな。

 

何気ないことで、店長に半袖をまくられて、傷を見られた。

「お前これ自分でやったの?」「うん、中学生のときね」

久しぶりに、自分で傷を作っちゃったことを後悔した。

情緒不安定な女だって思われたくない。それなのに、親しくなるとどんどんわがままになっちゃう自分がいるの。

 

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来世は植物に生まれたいです。

9月 ③ やさしくしてよ

また誰かを好きになることができるかなって考えている。

インスタグラムのストーリーに上がっていた、高校時代の恋人の笑顔が素敵だった。同い年なのにこどもみたいな顔。私の「好き」は、間違ってなかったと思う。うまくいかなかっただけで。

 

セックスしたいけど、したくない。誘われたら嬉しいけど、軽くみられてるのかなって悲しくもなる。ちゅーしたい。ぎゅーされたい。やさしくしてよ。

熱量がどんどん下がっていくのはさみしい。もっと一緒にいたいからって、言えなくて、返事のかわりにしたちゅーの温度がいちばん熱かった。カウンター席の下で、私の足に重ねてくれた足の裏。電車に乗るときに、おいでって引いてくれた掌。雪の日、私のコートのポッケの中でつないだ手。

 

約束がこわい。期待しないでいたい。信頼するのがこわい。だっていつか離れていくでしょう。

ほんとうは、愛とかじゃなくて、血の繋がらないだれかを心から信じるってことに飢えている。

 

次は信じられるかなあ。

 

 

 

9月 ② まだ踊り足りない

山奥に戻ってきて1週間が経ちます。

私はやっぱり東京という場所が好きだから、恋しくなってしまう。

 

今日は街に出て脱毛を契約してきた。ダイエットもしているし、もっともっと綺麗な身体になりたい。誰かのためじゃなくて、私自身のために。

 

高校生のとき、大好きなお店をつくったスタイリストのお兄さんに偶然会う機会があった。私は、「こんなに素敵なお店をつくってくれてありがとう」と「いつも見てるばっかりでごめんなさい」を言った。そうしたら、その人は「どんな服だって大人になったらいくらでも買えるよ」と言ってくれた。

忘れてた。私は、はやく大人になりたかった。

20歳になったら、お酒が飲めるようになったら、煙草を吸うようになったら、セックスできるようになったら、大人になれると私は思っていたよ。

 

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さみしいから持ってきたうさちゃん。