4月 ① あなたのすべてを信じてる
足音がして、寝たふりをしたらパパが布団を掛けてくれた。
お母さんが淹れてくれたお茶を飲みながら、東京でしか放送していない深夜番組を見た。
あと何日かしたら、また一人の部屋に帰る。
大学生活も折り返し。
また泣いちゃう日もあるだろうけれど、向き合った分だけなにかが返ってくると思う。
繰り返しの毎日だと、忘れちゃうこともあるから、何度も決心する。
3月 ② きっといつかの話だけNGよ
20歳になりました。
私は、13歳くらいからの数年間、毎日くるしくてくるしくて、死んでしまおうと思った日も沢山あったけれど、今は毎日たのしくて、あのとき死ぬことを選ばなくてよかったって心の底から思う。
これからも、出会った人と素敵な時間を過ごしていきたいです。
がんばります。
2月 ⑤ 国道とばさないでいてね
少し前まで好きだった男の子と、バイト先から一緒に帰った。地獄かと思った。十分間。
ふたりでオリオン座を見に行ったのに。ふたりで深夜までたくさんお話ししたのに。ちゅーもしたのに。私の手を握ってコートのポケットに入れてくれたのに。ふたりで食べたファミマのおでん、あんなに美味しかったのに。彼の淹れてくれたコーヒーはお花畑みたいな味がした。
コンビニの前を通って、買い物して行くからって逃げるみたいに言った彼に、笑ってばいばーいって言ったけど、ばかだと思われたかな。
私は今月でバイトを辞めるから、彼と並んで歩くのは生涯最後だと思った。風が冷たくて、欠伸をしたら涙がでた。
2月 ④ ファーストキスは17歳
「若さは才能ではないから、取り柄なんて何も持たない私に優しくしてくれて嬉しかった。」
この文章を書いたとき、私は17歳だった。あの頃の私は、ばかでかわいい。過去のブログを読み返すと、そんなことで悩んでいるの?と思ったりもする。きっと、今悩んでいるあれこれも数年後には「そんなこと」の一部になるんだろう。
私がはじめてキスをしたのも17歳のときだった。駅から少し歩いたその辺の道路で、私は当時持っている服の中で一番高くて一番お気に入りのTシャツを着ていた。突然のことに驚いていると、彼はフレンチだよと軽く笑った。今なら言える。フレンチキスの正しい意味はディープキスで、それは日本人がよく間違える言い方だよね、と。
その後、色々なことがあり、私の性に対する価値観は少し人とちがう方向に向かっていったように思う。だれにも言えないから、ここにしか書けないけれど、私の初体験はいわゆる3Pだった。私と、当時の好きな人と、彼の友だちの細くてえっちな女の子。好きな人が、ほら怖くないよと言って私の手を、口を、その子の体をまさぐるように導いて、女というものを確かめさせたのをよく覚えている。あの、うねるような締め付けを、分泌液の味を、たまに思い出す。特に、今みたいな眠りきれない夜に。
私は時折、こうして過去のことを振り返って、あのときのほんとうのきもちを掘り起こす。それは、昨日のことだったりするし、もう何年も前のことだったりもする。あの日に書けたことが、これから先絶対に書けないことだったりする。
今、思うことは、愛情は与えられるものではなくて、与え合うものだということ。優しくされたら、優しくし返して良いのだということ。どのタイミングでこんな風に思うようになったのかは分からないけれど、20歳を目前にした私は確かにこう感じている。
2月は回想の月。心がやっと落ち着いてきたのかもしれない。
2月 ③ うそじゃないよ
私のすきな先生は、学科の大体の人に嫌われている、というか面倒くさがられている。4月から先生の研究室に入れてもらえることになって、面談で先生と沢山お話が出来て、私はとても嬉しかった。だから、先生のとこ入って大丈夫なの?という友人からの質問には曖昧に笑ってやり過ごしている。先生は自信家で、でも繊細で、たしかに面倒くさいけれど、いつも自分に自信が持てない私にとっては、憧れの人。
この間、前の恋人に会ったとき、私が着ていたコートを見て彼は、それおれがあげたやつって言った。でもね、本当は金欠で困っているあなたから3000円で私が買ったんだよ。言いたくても言えなかった。こうやって人は色々なことを忘れたり、都合良く解釈してゆくのだろう、と思った。
普段は抑圧して生きているから、ほんとうのことを言うのに快感を覚えてしまう。他の人より性欲が強いのもそのせいだと思う。裸になると隠しごとができないような気がするんだ。だから、明日の朝ごはんのこととかを考えながら気持ちがいいふりをしているとき、とてもかなしい。
2月 ② stay gold
パパとちゃんと話をしたことがない。元気か?とかSMAP解散しちゃったなあとかそういう話はされるけれど、なにが好きか将来どうなりたいかとかそういう話はしたことがない。
私が中学校に行かなくなった時、パパはお母さんに向かってお前のせいだろと怒鳴ったらしい。どんな気持ちで言ったんだろう。私はパパのことよく知らないし、パパも私のことをよく知らないと思う。
パパのことはいつも風景みたいに思い出す。昨日、友だちの車に乗って高速道路を走っていたとき、パパが車で大宮駅まで送ってくれたことが頭に浮かんだ。パパと私は特別になにか喋ることもなく、私は窓の外の建物をずっと眺めていた。車の中では、聞いたことがあるのかないのかも分からないような英語の曲が流れていて、パパはこういう曲が好きなのかとぼんやり思った。
パパは遊んでいる大人だと思う。お母さんとはもう仲良くなんかなくて、ただ結婚しているからおんなじ家で暮らしている。パパが夜出かけるとき、それが仕事なのか遊びなのかよく分からなかったけれど、朝起きてパパの寝室からお酒のにおいがしたときにどっちなのかが分かるのだった。そのくらいの年代の人ってどんな風に遊びをするんだろうか。想像もつかないけれど、パパはなにかうまくいかない、どこにやったらいいか分からないような気持ちをそういうことで発散しているのだろう。
私は、お母さんが死ぬ時よりもパパが死ぬ時のほうが泣く気がしている。遺伝的な話で両親と性格が似るのなら、私のさみしがりやな性格はパパに似ているはずだ。それなのに、結局この人のことなんにも分からなかったなあと恋人と別れるときのような気持ちで泣くんじゃないかと思う。
パパは私が実家に帰るたびに、ケーキやらなにやら買ってくる。回転寿司に連れて行く。私はパパが買ってやろうかと言ったものを断らないように心がけている。断ったら、パパが死んだとき後悔する気がするから。
これだけ書いておいて、実生活でパパのことをパパと呼んだことがない。なんかそのくらい、空想上の人みたいに遠いのです。
2月 ①
早く春にならないかな〜と思う。なんかキラキラした夜景とか星空とか見たいなあ。観覧車にも乗りたいなあ。
地元の子のインスタグラムとか見てると、胸がちかちかする。私は、毎日、ひじきや大根を煮たりうどんを茹でたりして生きている。朝あわてて燃えるごみを出したり、トイレットペーパーが無くなって箱ティッシュで拭いたりとかないんだろか。東京の女子大生は。
私は良くも悪くも真面目だと思う。一回だけセックスをした人がもう一度会おうと言うので、バレンタインフェアに行ったついでにチョコレートを買って行った。べつに好きでもないけど。友達はそういう人にこっちからなにか与えてあげる必要ないんだよって言うけど、私は与えられたら与え返したいと思ってしまう。
普通ってなんだよ〜。普通ってつまんなくない?って言われてフラれたこともあったな〜。
週末、友達と牡蠣小屋行くのでたのしみ。絶対にあたりたくない!!!!